2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

午後の遺言状 新藤兼人監督作品

この作品は、1995年の公開作品であるがリアルタイムには観ていなかった。 何も知らないで観ていたら、あまり感動することもなかったかもしれない。この作品の主人公である、杉村春子も音羽信子(新藤兼人夫人)もすでに鬼籍に入って久しい、昭和の女優である。…

長屋紳士録

戦後、小津安二郎が戦地シンガポールからようやく戻れたのが昭和21年(1946)二月で、翌年44歳になった小津が二カ月で書き上げたのがこの映画の脚本であった。舞台は戦後直後の東京で、九段で親と離れ迷子となっていたという子供を、築地の長屋に連れ帰ったと…

1640日の家族 

映画タイトルからは、まったくストーリーが想像できないが、原題はフランス語で"La vraie famille"(真実の家族もしくは本当の家族)だそうで、里子を引き取った家族の1640日の記録という意味らしい。フランスは児童保護制度が発達しているらしく、親の経済状…

死の棘 小栗康平監督

小栗監督作品を最初に見たのはどの映画だったろうか?きっとこの"死の棘"かまたは"泥の河"だったろうと思う。泥の河はきっと、テレビで放送されたものを観たように思う。死の棘は1990年にカンヌ審査員グランプリを取った作品なので、その時に映画館で観たの…