小津映画を語る人には、なぜかあまり取り上げられない映画であり、その映画評を聞く機会もなぜか少ない。私は戦後の小津映画に度々登場する女優、淡島千景が好きである。淡島は、それまでの小津映画には、『麦秋』(1951)と『お茶漬けの味』(1952)に出演して…

この映画を以前から観たいと願っていたが、ストリーミングのコンテンツには見つけられず長い間お預け状態だったが別のサービスでようやく見ることができた。1950年と言えば、後年にいわゆる『紀子三部作』と言われる小津作品の代表作の最初の一作『晩春』が…

俳優、佐分利信が好きだ。なぜだか自分でもその理由がはっきりわからないが、出演作品の中で見せる彼のたたずまいがとても印象的なのだ。小津作品の中でも多くの作品に出演しているが、その中でもこの作品や戦前の「戸田家の兄妹」など特にすばらしいと思う…

1955年に田中絹代の監督で公開されたこの作品は、戦後すぐの頃(終戦前とも)小津により作られたが、制作会社との折り合いがつかずずっと棚上げになっていたものを、田中絹代の監督作品として制作されたというものです。やはり、小津脚本の作品ならでわの小津…

この映画は戦中の1941年に、日中戦争から帰還した後、小津監督により制作された。小津映画の中では、私自身とても好きな映画の一つである。この映画のストーリーは、戦後制作された小津映画の代表作とも言われる、東京物語ときわめて類似している。(もちろん…

小津安二郎監督が1963年の誕生日に60歳で亡くなったため遺作となってしまった映画だ。 公開は1962年(私の生まれた年だ)これまでストリーミングで多くの小津作品を観てきたが、なるべく初期作品から鑑賞したいと思い、つい最近初めてこの作品を観た。カラー作…

1955年に田中絹代の監督で公開されたこの作品は、戦後すぐの頃(終戦前とも)小津により作られたが、制作会社との折り合いがつかずずっと棚上げになっていたものを、田中絹代の監督作品として制作されたというものです。やはり、小津脚本の作品ならでわの小津…

戦後、小津安二郎が戦地シンガポールからようやく戻れたのが昭和21年(1946)二月で、翌年44歳になった小津が二カ月で書き上げたのがこの映画の脚本であった。舞台は戦後直後の東京で、九段で親と離れ迷子となっていたという子供を、築地の長屋に連れ帰ったと…

昭和8年、1932年の作品である小津映画の名声は名高いが、戦前に撮られた映画はあまり見る機会はないのではないだろうか。私は、ストリーミングで見たが、youtubeなどでも見ることがでるようだ。家族愛のテーマは小津らしいが、これは子供を中心とした社会を…