日本

しとやかな獣 1962年 川島雄三監督作品

ここで川島雄三監督の映画を取り上げていないことに気が付いた。 監督の作品はこれまで、『洲崎パラダイス赤信号』『幕末太陽傳』『雁の寺』『女は二度生まれる』を見たが、どれも素晴らしく唸らされる作品であったが、この作品もさらに素晴らしい内容で驚い…

月は上りぬ 小津安二郎脚本

1955年に田中絹代の監督で公開されたこの作品は、戦後すぐの頃(終戦前とも)小津により作られたが、制作会社との折り合いがつかずずっと棚上げになっていたものを、田中絹代の監督作品として制作されたというものです。やはり、小津脚本の作品ならでわの小津…

岐阜ロイヤル劇場 35ミリ映画の世界

岐阜ロイヤル劇場は現在では珍しく、35ミリフィルム映画を上映する昭和名作シネマ専門館として運営されている。運営は、岐阜土地興業公社の運営館でロイヤル劇場の他、近くで4っのスクリーンを持つミニシアター「シネックス岐阜」、関市内のシネコン、シネッ…

月は上りぬ 小津安二郎脚本

1955年に田中絹代の監督で公開されたこの作品は、戦後すぐの頃(終戦前とも)小津により作られたが、制作会社との折り合いがつかずずっと棚上げになっていたものを、田中絹代の監督作品として制作されたというものです。やはり、小津脚本の作品ならでわの小津…

パッチギ! 박치기 井筒和幸監督

2004年制作、2005年公開の映画である。映画館で観たという記憶はないので、ビデオまたはTVの放映を観た記憶があるが、改めてストリーミングで観た。当時も素晴らしいエンタメ映画だと思っていたが、改めて観てさらに想いが深くなった。何よりも、導入部分で…

長屋紳士録

戦後、小津安二郎が戦地シンガポールからようやく戻れたのが昭和21年(1946)二月で、翌年44歳になった小津が二カ月で書き上げたのがこの映画の脚本であった。舞台は戦後直後の東京で、九段で親と離れ迷子となっていたという子供を、築地の長屋に連れ帰ったと…

逆光 須藤蓮監督作品

映画の後に開催された、監督のトークショーを観るまでは、逆光というタイトルや映画の時代背景から、やはりその時代を経験してきた年代の監督作品だろうと思っていた。70年初頭という、まだ若者たちにプライドがあり、社会との関係を肌で感じながら青春を送…

三度目の、正直

正直何の前情報もなく、まったくのノーマークで、監督も俳優も誰一人知らないという状況で見た。 最初のうちは、出演者の背景や状況がよくわからない時間が続いたが、物語の核となる記憶喪失の青年が登場してからは、ストーリーが流れ出し、主演(川村りら)の…

近松物語(溝口健二監督)

1954年(昭和29)溝口健二監督作品。近松門左衛門の戯曲、大経師昔暦(だいきょうじむかしごよみ)を脚本化。ストーリは単純な構成で、大店の女房が手代の男と駆け落ち騒動を起こし最後には捕らえられてしまうというもの。予想を裏切らないシンプルなストーリ…

生まれてはみたけれど(小津安二郎 無声映画)

昭和8年、1932年の作品である小津映画の名声は名高いが、戦前に撮られた映画はあまり見る機会はないのではないだろうか。私は、ストリーミングで見たが、youtubeなどでも見ることがでるようだ。家族愛のテーマは小津らしいが、これは子供を中心とした社会を…

ドライブ・マイ・カー

60歳になって初めて、シニア料金でこれを見た。日本映画賞総なめということで、話題になったというのも理由の一つだが、村上春樹原作というところにひかれた。以前ストリーミング配信で、韓国映画『버닝』バーニング(英題:Burning)を見て、良い映画だった…